スカラベは、海洋と南極大陸を除くすべての地域に分布している、魅力的で多様な甲虫である。スカラベは約3万種も存在し、甲虫全体の10%を占めている。
玄関の灯火に飛来し、ブンブン飛ぶコガネムシもスカラベの一種だ。また芝生や畑を荒らすマメコガネや、中南米に生息する巨大なカブトムシもスカラベの仲間である。そして、その種の中で、おそらく最も有名な種類であるタマオシコガネは、エジプトでは太陽神ケプリの化身として実際に崇められていたという。
ほとんどのスカラベは黒や茶の地味な体色をしているが、特に熱帯地方の品種は鮮やかで複雑な模様をしているものも多い。また玉虫色に輝くものや、実に人工的に映る金属性の光沢を持つ種もいる。基本的な体型は長円形で硬い外皮に覆われており、大きさは非常に小さなものから神話に出てくるような巨大なものまでさまざまだ。小型種には約2ミリにしか成長しないものもいるが、ヘラクレスオオカブトのように人間の手の平よりも大きい15センチ以上に成長するものもいる。
スカラベの種類によってエサもさまざまである。植物を食い荒らすものは、農業害虫とされている。果物や菌類、腐肉、昆虫などを食べるものもいれば、カタツムリがはったあとの粘液をエサにして生きている種もいる。最も一般的なエサは、フンコロガシと呼ばれるスカラベが食べているフンである。フンコロガシは、羊や牛、象などのフンに含まれる未消化の栄養分のみで生きる。エジプトで崇拝されていたスカラベは、このフンコロガシだ。
フンコロガシはにおいに敏感で、好物があるとそのにおいをかぎつけて集まり、特殊な口を使ってフンから水分と栄養分を吸い出す。その場でフンの中に入る種もいれば、フンを丸めてうしろ足で転がし、時にはそれを埋める場所まで運ぶものもいる。メスは1つのフン玉の中に1つの卵を産む。幼虫はフンの内部を食べて育ち、成虫になると出てくる。フンコロガシは大量のフンを地中に運び去るので、病気や害虫から家畜を守るのに重要な役割を担っている。
スカラベの種の中には、生息地を失う危機に瀕しているものや、甲虫コレクターの標的となっているものもいるが、全体的にスカラベの生息数は安定している。