シュモクザメは卓越した技能を持つ捕食魚である。名前のシュモクは、鐘などを鳴らすときに用いるT字形の撞木(しゅもく)に由来する。英語では「hammerhead shark(かなづち頭のサメ)」と呼ばれる。目が不格好な頭の両端に付いているため、ほかのサメよりも広い視野を持ち、容易にエサを探すことができる。また、木づち形の頭の前面には、高感度センサーの働きをする特別な器官が無数にあるため、海中をくまなく探索してエサを見つけられる。
センサーの働きをする器官をロレンチニ瓶といい、周りにほかの生物がいても、獲物が出す電気を感じ取れるようになっている。感度が非常に良いため、普段は砂の中に隠れているアカエイまでも見つけることができる。
シュモクザメは世界中の温帯および熱帯海域の沖合または沿岸で見られ、夏には、冷水を求めていっせいに回遊する姿がしばしば観察される。体色は、背部は灰褐色からオリーブグリーン、腹部はオフホワイトで、ノコギリのような三角の歯をたくさん持つ。また、とがった背ビレは非常に目立つ。
シュモクザメ科のほとんどの種はかなり小さく、人間を襲わないと考えられている。しかし、現在9種が確認されているシュモクザメの中で最大のヒラシュモクザメは大きいもので体長6メートル、体重450キロにまで成長し、外見も獰猛なので危害を加える可能性も否定できない。いままでのところ、このサメに襲われた記録はほとんどない。
個体数は明らかになっていないが、世界中で頻繁に確認されているので、絶滅の危険があるとは考えられていない。