毛むくじゃらでホコリだらけのナマケグマは、南アジアの人里離れた森林地帯に生息している。大きなうめき声や鼻息を発しながら、昆虫や新鮮な果実を求めて夜中に単独で歩き回る。
主にシロアリやアリをエサにしており、アリを掘り出すのに適した身体的特徴を生かして捕食する。湾曲した長いツメを使って石のように固いアリ塚に穴を開け、邪魔な土を吹き散らし、大きな音を立てて前歯のすき間から獲物を吸い上げる。このとき、鼻孔は閉じており、唇をストローのようにして吸い込む。昆虫のほかにも、マンゴーやイチジク、コクタンなどさまざまな果実や花を食べる。また、木片を投げ付けてハチの巣を落とし、地上で食べる。この習性により英語では「honey bear」とも呼ばれる。
ナマケグマは単独で生活し、通常は夜行性だ。毛は黒く、ボサボサしている。鼻はクリーム色で胸には通常白っぽいV字型の模様がある。危険を感じるとうしろ足で立ち上がり、前足のツメを見せて威嚇する。体長は約2メートルで、オスの体重は140キロ以上にもなる。一方のメスは95キロ程度である。6〜7カ月の妊娠期間を経て、地下の巣穴で通常1度に2頭の子どもを産む。母親が子グマを背負うことがよくあるが、これはクマの行動としては珍しい。
ナマケグマは絶滅が心配されている。生息地の減少が原因の1つだが、芸を仕込むために捕獲されたり攻撃的な習性や農作物に被害を与えることを理由に殺されたりすることも原因となっている。