北アメリカに生息するシカの仲間の中で最も小さいオジロジカは、カナダ南部から南アメリカにかけて生息している。暑い夏の間は主に原野や草地に住み、広葉樹や針葉樹の木陰で日差しを避けて暮らしている。冬の間は森から出ず、厳しい自然から身を守るため、針葉樹の木立をすみかにしている。
成体のオジロジカの毛色は、夏は赤茶色だが次第に色あせ、冬には灰色をおびた茶色になる。オスは、夏と秋の間は特徴的な枝角を持つため、すぐに識別することができる。ツノは冬になると落ち、毎年生え変わる。何本にも枝分かれした鋭いツノが生えるのはオスだけで、繁殖期にはオス同士が枝角を突き合わせて縄張争いをする。また、メスは7カ月の妊娠期間を経て、通常5月か6月に1〜3頭の子を産む。子どもは森の風景にうまく溶け込むよう、赤茶色に白色の斑点という毛色をしている。
オジロジカは草食動物で、ゆっくり時間をかけて食べられる植物は何でも食べてしまう。葉や小枝、果実、木の実、草、穀類、さらには地衣類やキノコ類といったあらゆる食物を胃で消化できる。たまに日中に歩き回ることはあるものの、通常夜明けや夕暮れときに草を食べる。
野生のオジロジカは、ボブキャットやピューマ、コヨーテなどに捕食されるため、身を守れるように俊足で機敏だ。短距離ならば最高時速約50キロで走ることができる。
以前は米国で乱獲され生息数が激減していたが、厳しい狩猟規制のおかげで再び増えてきている。