オオカミは背筋が凍るような恐ろしい遠吠えによって伝説化されているが、その吠え声はオオカミ同士のコミュニケーションの手段である。群れからはぐれた個体は、群れの仲間に気付いてもらうために遠吠えをする。吠え声は群れで共通していて、ほかの群れと区別する役割も果たし、対立的な意味合いで用いられることもある。飼い犬のように、近くにいるオオカミが先に吠えたというだけで、それに反応して別のオオカミが吠え出すこともある。
オオカミは6〜10頭ほどの群れで狩りを行い、1日で約20キロもの長距離を移動することで知られている。この社会的な動物は、好んで食べるシカやヘラジカなどの大型動物を協力し合って襲う。狩りが成功すると、オオカミは大食漢ぶりを発揮し、1頭あたり9キロもの肉を食べる。さらに小型哺乳類や鳥や魚、トカゲ、ヘビなどのほかに果実も食べる。
オオカミの群れには非常に厳格な階級順位があり、最も強いオスがトップに付き、その連れ合いのメスも上位に位置する。通常はこのオスとメスだけが群れの中で子を産むことのできるつがいとなる。ほかのメンバーは、子どものための食べ物を運んできたり、仲間が狩りをしている間、子どもの世話をしたりする。
オオカミはイヌ科最大の動物である。順応性の高いハイイロオオカミは、かつては北半球のいたるところに生息していた。しかし、オオカミと人間は長い間敵対してきた。家畜を襲うことを理由に数え切れないほどのオオカミが撃たれ、罠に掛けられ、毒殺されてきた。北アメリカの48州ではほぼ絶滅寸前にまで減少したが、少数が生き残り再導入プログラムの対象となっている。ヨーロッパでは、ハイイロオオカミはほとんど生存していないが、アラスカやカナダ、およびアジアでは数多くが生き残っている。
アメリカアカオオカミはアメリカ南東部に生息しているが、絶滅の危機に瀕している。実際、この野生動物は1980年に絶滅したとされていた。彼らを捕獲して繁殖し、野生に返すプログラムが実施された。現在はおそらく100頭ほどが生息している。
ハイイロオオカミやアメリカアカオオカミの遠い親戚にあたるタテガミオオカミは、南アメリカに生息する。外見上は仲間のオオカミの近縁種に似ているが、むしろ大きなアカギツネのようだ。