原始的な形態をそのまま残しているワニガメは、淡水に生息するカメとしては、世界最大の種とされている。逆立った甲羅、鳥のクチバシのように尖ったアゴ、そしてウロコに覆われた太い尾を持つことから、よく「恐竜」と形容される。
アメリカ南東部の河川や運河、湖に生息しているワニガメの寿命は50〜100歳。平均的なオスは甲羅の長さが65センチ、体重が80キロ程度だが、中には100キロを上回る個体も存在する。オスよりもはるかに小さいメスは、最高でも体長23センチ程度までにしか成長しない。40〜50分程度潜水することができ、呼吸の際に浮上する。一生のほとんどを水中で過ごすが、メスは産卵時に上陸し、岸から約50メートル離れた内陸部までのろのろと歩いて行くこともある。
ワニガメは、体の一部をエサと模して使うユニークな捕食方法を用いる。舌の先に、ミミズのようにも見える真っ赤な突起を持っていて、川底で動かずにその突起だけを見せ、それをエサだと思い込んで近付いてくる好奇心旺盛な魚やカエルを捕食する。
現在は絶滅危惧種に指定されているが、彼らの天敵は人間だ。その肉や甲羅を目的として捕獲されたり、希少生物として取引されたりする。無秩序な乱獲や生息環境の消滅により、ワニガメの個体数は大幅に減少してしまった。したがって、ほとんどの生息域は、州政府による保護下にある。