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Artwork by Christopher Klein
Map by Christopher Scotese, www.scotese.com
5億4200万~4億8800万年前
古生代の1区分であるカンブリア紀は、生物の進化が最も激しかった時代である。「カンブリア大爆発」と呼ばれるほど多様な生物が出現したが、その中には現在もその姿を見ることができる主要な生物グループが多く含まれている。例えば、私たち人間などの脊椎動物が属している脊索動物(せきさくどうぶつ)もこの時期に出現した。
カンブリア紀に生物が大量に出現した理由は解明されていないが、光合成を行うシアノバクテリアや藻類が大気中に酸素を排出するようになり、身体構造や生活様式の複雑な生物が出現できるほど酸素量が増えたことが要因の1つと考えられている。また、カンブリア紀には生物が生存しやすい環境も整えられた。気候が温暖になったことに加え、海面水位の上昇で低地に浅い海が広がり、新しい形態の生物が生まれやすい海洋生息環境が作られた。
しかし、カンブリア大爆発の規模については実際よりも誇張されている可能性が高い。それは、カンブリア大爆発以前に出現した軟体動物よりも、この時代に急増した硬い殻を持つ動物の方がはるかに化石として残りやすかったからである。この時期に出現した生物には、二枚貝に似た貝殻を持つ腕足動物や、現在の昆虫やクモ、甲殻類へとつながる外骨格と関節を持った節足動物などを例として挙げることができる。殻を獲得したことは、敵から身を守る意味でも、身体の大型化を促進する意味でも生物にとって革新的な出来事だった。
カンブリア紀を代表する節足動物といえば、非常に多くの化石が残されている三葉虫である。三葉虫の平たい体は体節の多い甲羅で覆われており、この時期に海で増加していた捕食動物から身を守るのに適していた。1ミリから60センチを超える種までさまざまな種類が存在していた三葉虫は、先史時代の生物の中で最も繁栄した部類に属している。2億5100万年前のペルム紀(二畳紀)末に大量絶滅が起こるまで、1万7000種以上が生息していた。
巨大なエビのようなアノマロカリスはカンブリア紀の捕食動物である。その口元には内側に歯状の突起が並んだ2本の触手があり、この特殊な器官で獲物を捕らえていたと考えられる。アノマロカリスも十分に奇妙だが、さらにその上を行く生物に5つの眼を持つオパビニアがいた。この生物の頭部からは先端に鉤ツメの付いた長くて柔軟な器官が伸びており、エサの捕獲にはこの“腕”が使われていた。これらの捕食動物が狩りをしていた海底では、シアノバクテリアの活動によって生成された有機鉱物の堆積構造物が形成され、その上には古代の海綿動物が群れを成して生息していた。海綿動物は水から摂取した炭酸カルシウムを利用して支持骨格を作っていたが、その骨格自体も構造物の一部となり生息地の拡大に寄与していた。
現在知られている最古の原始的な脊索動物は、カンブリア紀中期の海に生息していたピカイアという生物であり、ミミズに似ている。カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州のバージェス頁岩で発見された化石には脊索(棒状の原始的な背骨)の痕跡が確認されており、この時期、脊椎動物の進化に大きな前進があったことを物語っている。
覆された進化の常識
カナダやグリーンランド、中国で発見されたカンブリア紀の堆積層では、海底泥のなだれで埋没した海生の虫など、めったに化石として残らない軟体動物が発見されている。その中でも1999年に発表された、魚に似た小さな2種の無顎類(むがくるい。円口類とも呼ばれる)の化石発見は、最大級の驚きを持って迎えられた。発掘場所は中国の澄江(ちょうこう)にある5億3000万年前の化石層である。現在知られている最古の脊椎動物であり、子孫も現存しているこの化石の生物は、私たち脊椎動物の祖先が以前の定説より約5000万年早く出現していたことを示している。
カンブリア紀末には生物の大量絶滅が何度も起きており、殻に覆われた腕足動物の多くをはじめ、さまざまな生物が絶滅した。この時期には三葉虫も大きく数を減らしている。
古生代の1区分であるカンブリア紀は、生物の進化が最も激しかった時代である。「カンブリア大爆発」と呼ばれるほど多様な生物が出現したが、その中には現在もその姿を見ることができる主要な生物グループが多く含まれている。例えば、私たち人間などの脊椎動物が属している脊索動物(せきさくどうぶつ)もこの時期に出現した。
カンブリア紀に生物が大量に出現した理由は解明されていないが、光合成を行うシアノバクテリアや藻類が大気中に酸素を排出するようになり、身体構造や生活様式の複雑な生物が出現できるほど酸素量が増えたことが要因の1つと考えられている。また、カンブリア紀には生物が生存しやすい環境も整えられた。気候が温暖になったことに加え、海面水位の上昇で低地に浅い海が広がり、新しい形態の生物が生まれやすい海洋生息環境が作られた。
しかし、カンブリア大爆発の規模については実際よりも誇張されている可能性が高い。それは、カンブリア大爆発以前に出現した軟体動物よりも、この時代に急増した硬い殻を持つ動物の方がはるかに化石として残りやすかったからである。この時期に出現した生物には、二枚貝に似た貝殻を持つ腕足動物や、現在の昆虫やクモ、甲殻類へとつながる外骨格と関節を持った節足動物などを例として挙げることができる。殻を獲得したことは、敵から身を守る意味でも、身体の大型化を促進する意味でも生物にとって革新的な出来事だった。
カンブリア紀を代表する節足動物といえば、非常に多くの化石が残されている三葉虫である。三葉虫の平たい体は体節の多い甲羅で覆われており、この時期に海で増加していた捕食動物から身を守るのに適していた。1ミリから60センチを超える種までさまざまな種類が存在していた三葉虫は、先史時代の生物の中で最も繁栄した部類に属している。2億5100万年前のペルム紀(二畳紀)末に大量絶滅が起こるまで、1万7000種以上が生息していた。
巨大なエビのようなアノマロカリスはカンブリア紀の捕食動物である。その口元には内側に歯状の突起が並んだ2本の触手があり、この特殊な器官で獲物を捕らえていたと考えられる。アノマロカリスも十分に奇妙だが、さらにその上を行く生物に5つの眼を持つオパビニアがいた。この生物の頭部からは先端に鉤ツメの付いた長くて柔軟な器官が伸びており、エサの捕獲にはこの“腕”が使われていた。これらの捕食動物が狩りをしていた海底では、シアノバクテリアの活動によって生成された有機鉱物の堆積構造物が形成され、その上には古代の海綿動物が群れを成して生息していた。海綿動物は水から摂取した炭酸カルシウムを利用して支持骨格を作っていたが、その骨格自体も構造物の一部となり生息地の拡大に寄与していた。
現在知られている最古の原始的な脊索動物は、カンブリア紀中期の海に生息していたピカイアという生物であり、ミミズに似ている。カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州のバージェス頁岩で発見された化石には脊索(棒状の原始的な背骨)の痕跡が確認されており、この時期、脊椎動物の進化に大きな前進があったことを物語っている。
覆された進化の常識
カナダやグリーンランド、中国で発見されたカンブリア紀の堆積層では、海底泥のなだれで埋没した海生の虫など、めったに化石として残らない軟体動物が発見されている。その中でも1999年に発表された、魚に似た小さな2種の無顎類(むがくるい。円口類とも呼ばれる)の化石発見は、最大級の驚きを持って迎えられた。発掘場所は中国の澄江(ちょうこう)にある5億3000万年前の化石層である。現在知られている最古の脊椎動物であり、子孫も現存しているこの化石の生物は、私たち脊椎動物の祖先が以前の定説より約5000万年早く出現していたことを示している。
カンブリア紀末には生物の大量絶滅が何度も起きており、殻に覆われた腕足動物の多くをはじめ、さまざまな生物が絶滅した。この時期には三葉虫も大きく数を減らしている。
































